QFNのX線検査装置の選び方
QFNの検査にX線検査装置が必要な理由
QFNははんだ接合部が見えにくい半導体パッケージ
QFNは、部品のリードが外側に大きく出ていない半導体パッケージです。基板に実装すると、はんだ接合部が部品の下側や周辺に隠れやすくなります。
そのため、見た目だけでは接合状態を判断しにくいことがあります。QFN検査では、外から見えないはんだ部をどう確認するかが重要です。
外観検査だけでは判断しにくいQFN実装後の不良
QFNは小型化や高密度実装に向いた部品ですが、実装後のはんだ状態を外観から確認しにくい点が課題です。外から正常に見えても、内部では接合不良が起きている場合があります。
特に、はんだ不足やボイド、ブリッジなどは製品不良につながる可能性があります。外観検査で見えない部分を補う手段として、X線検査装置が使われます。
BGA・LGAと同様に内部検査が重要になる理由
QFNは、BGAやLGAと同じく、はんだ接合部が部品の下に隠れやすいパッケージです。こうした部品では、目視や通常の画像検査だけで品質を判断するのが難しくなります。
X線検査装置を使うことで、部品を取り外さずに内部の状態を確認できます。非破壊で接合部を確認できることが、QFN検査でX線が重視される理由です。
QFNのX線検査で確認できる主な不良
ボイド
ボイドとは、はんだ内部に発生する空洞のことです。QFNの放熱パッドや接合部にボイドが多いと、電気的な接続や放熱性に影響する可能性があります。
X線検査では、はんだ部分の濃淡や形状からボイドの有無を確認します。ボイドの発生位置や広がりを把握できるかは、装置選定時の重要な確認点です。
ブリッジ・ショート
ブリッジは、隣接する端子やパッド間にはんだがつながってしまう不良です。QFNは端子間隔が狭いこともあり、微細なブリッジが発生するとショートにつながるおそれがあります。
X線検査では、部品下に隠れたはんだのつながりを確認できます。目視では見えないショート要因を検出しやすいことが、X線検査の強みです。
はんだ不足・未接合
はんだ量が不足していると、QFNの端子と基板ランドが十分に接合されない場合があります。外観上は実装されているように見えても、内部では接続が不安定なことがあります。
X線検査では、はんだの広がりや接合部の状態を画像で確認します。はんだが必要な位置に十分形成されているかを見極めることが大切です。
リフト・接合不良
リフトは、部品や端子が基板から浮いて接合が不十分になる不良です。QFNでは接合部が隠れているため、軽微な浮きや接触不良を外観だけで判断するのは困難です。
斜め観察や3D対応のX線検査装置を使うと、接合部の立体的な状態を確認しやすくなります。平面画像だけで判断しにくい不良への対応も検討しましょう。
部品下や裏面部品の重なりによる見落とし
両面実装基板では、表面と裏面の部品がX線画像上で重なって見えることがあります。QFNのはんだ部を見たいのに、反対面の部品やパターンが重なり、判定しにくくなるケースがあります。
このような場合は、斜め観察や裏面情報を抑える技術が役立ちます。見たい層や部品を分離して確認できるかが、検査精度に関わります。
QFN検査に使われるX線検査装置の種類
2D X線検査装置
2D X線検査装置は、一方向から透過画像を取得する基本的な方式です。構造が比較的シンプルで、QFNのはんだ量やボイド、ブリッジの有無を確認する用途に使われます。
ただし、部品や基板パターンが重なると判定しにくい場合があります。まず全体像を確認する用途に向いた方式として考えるとよいでしょう。
2.5D・斜め観察対応のX線検査装置
2.5Dや斜め観察対応の装置は、角度を変えてQFNの接合部を確認できる方式です。真上からでは見えにくい接合状態や、部品下のはんだ形状を把握しやすくなります。
特に、リフトや接合不良の確認では角度を変えた観察が有効な場合があります。平面画像では判断しづらい不良を見たい場合に検討したい方式です。
3D・CT対応のX線検査装置
3D・CT対応のX線検査装置は、複数方向から取得した画像をもとに、断層や立体的な情報を確認できる方式です。QFNの内部構造やはんだ層をより詳しく見たい場合に向いています。
一方で、装置価格や検査時間、運用方法は確認が必要です。解析精度を重視するか、検査スピードを重視するかで選び方が変わります。
インライン検査装置とオフライン検査装置の違い
インライン検査装置は、製造ラインに組み込んで連続的に検査する方式です。量産工程でQFNを含む基板を安定して検査したい場合に適しています。
オフライン検査装置は、解析や抜き取り検査、試作評価に使いやすい方式です。量産管理か、不良解析かによって適した装置タイプを選ぶ必要があります。
QFN向けX線検査装置を選ぶときの比較ポイント
QFNのはんだ部を十分に識別できる解像度・倍率
QFNの端子やはんだ部は小さく、装置の解像度や倍率が不足すると不良を見落とす可能性があります。単に倍率が高いだけでなく、確認したい不良が画像上で判別できるかが重要です。
カタログ数値だけでは、実際の見え方を判断しきれないこともあります。自社のQFN実装基板で鮮明に見えるかを確認しましょう。
ボイドやブリッジを判定しやすい画像処理性能
X線画像は、撮影するだけでなく、濃淡や輪郭をどれだけ見やすく処理できるかも重要です。ボイドやブリッジのような不良は、画像処理の違いで判定しやすさが変わる場合があります。
自動判定機能を使う場合は、判定条件の設定や結果の確認方法も見ておきたい点です。人が見ても装置が判定しても分かりやすい画像が理想です。
斜め観察や裏面キャンセルへの対応
QFNを両面実装基板で検査する場合、裏面部品の映り込みが課題になることがあります。表面のQFNを見たいのに、裏面のチップ部品やパターンが重なると判定が難しくなります。
斜め観察や裏面情報を抑える機能があると、見たい箇所を確認しやすくなります。重なりをどう処理できるかは、QFN検査で必ず確認したいポイントです。
両面実装基板での検査しやすさ
近年の基板は高密度化が進み、QFNの周辺や反対面にも部品が実装されていることがあります。こうした基板では、単純な透過画像だけでは必要な情報を取り出しにくい場合があります。
検査対象が両面実装基板なら、実際の部品配置に近い条件でテストすることが大切です。量産基板に近い状態で見え方を確認することをおすすめします。
量産検査か解析用途かに合った検査スピード
不良解析で使う装置と、量産ラインで全数または抜き取り検査に使う装置では、求められるスピードが異なります。高精細な撮影ができても、検査時間が長すぎると工程に合わない場合があります。
反対に、解析用途ではスピードよりも観察の自由度が重要になることもあります。検査目的に合った処理速度を基準に比較しましょう。
自社基板サイズ・部品密度・検査工程との相性
X線検査装置は、対応できる基板サイズやワークの厚み、検査範囲が機種によって異なります。QFNだけでなく、同じ基板上のBGAやLGA、コネクタなども確認したい場合があります。
導入前には、現在の検査工程や将来の製品展開も含めて確認しましょう。QFN単体ではなく基板全体で使いやすいかが重要です。
QFNのX線検査ではサンプルテストが重要
カタログスペックだけでは見え方を判断しにくい
X線検査装置は、出力や倍率などのスペックだけで良し悪しを判断しにくい装置です。同じQFNでも、基板材質、部品配置、はんだ量、検査したい不良によって見え方が変わります。
そのため、候補装置では実際のサンプル基板を使った撮影確認が重要です。スペックより実画像で判断することを意識しましょう。
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